稲 駿介 稲 駿介

パッチワークカンパニー ITスタッフ
稲 駿介

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東京で就職先が決まった矢先、
満員電車でふりかかった災難によって
移住を決意。

Shunsuke Ina

稲 駿介

小学生のときからパソコンに興味があって、インターネットで検索して遊んだり、分からないなりに楽しんでいました。で、まぁ、男子にはよくあるパターンだと思いますがオトナ向けサイトを見つけてしまい、ハマりまして。そして履歴で親にバレて(笑)そこから親がパスワードをしょっちゅう変更して、なんとか破ろうとする僕のハッカー人生が始まりました。おこづかいで『ハッカージャパン』という専門書を買って必死で勉強しましたよ。ただただエロサイトが見たくて。そうしてだんだんとパソコンの面白さにハマっていきました。最終的には自分専用のパソコンを買いました。長時間触っていても飽きないオモチャ、ってかんじでしたね。

大学時代は自分で商売を考えたり、ネットで稼いでいる知人をそばで見ていて「俺もいつかスゲーやつになる」って息巻いてました。東京でIT企業への就職も決まった矢先、満員電車に揺られていると自分の顔面に事件が起きてしまったんです。中年男性のお尻が目の前にあって、おならを浴びまして。「これからの毎日、俺こんなのイヤだな」って。故郷の静岡ではなく知らない土地で暮らしてみたくて、かつて旅行した大分県に移住することになりました。将来のことは深く考えてなかったですね。

自分らしく生きるための、仕事

緑線

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「ムリをする」って、
好きなムリと嫌いなムリがある。
好きなムリは“努力”ってこと
なんだと分かった。

稲 駿介

縁あって仕事は国東市の地域おこし協力隊に決まり、暮らしてみて自分にちょうど良い環境だなって実感しました。静かな環境で、空気が良くて、あったかい人が多くて。都会暮らしにしがみつかずに良かったと思いました。

国東に来てずっと起業したいと考えていましたけど、明確なビジョンはなくて、ふわふわした気持ちで起業のための研修を受けたりして「これからどうなるのかな」なんて考えていたときに岡野さん(パッチワークカンパニー代表)と出会いました。CADには興味があったし、「よし、この仕事でお金を稼いで、起業資金にしよう」と一念発起。岡野さんは僕の考えに共感してくれて背中を押してくれました。それからソフトの使い方を動画で学んだり、ネットで調べつつ、仕事で経験を重ねていきました。

しばらくして『パッチワークカンパニー』が立ち上がり、僕は社員として入社しました。CADを使う業務だけでなく、橋梁点検の現場に行くこともありましたよ。いきなり命じられたんですけど、猫だけ預かってもらって喜んで行きました。福岡、大分、熊本、鹿児島・・・九州全域(笑)。楽しかったですね。郷土料理を食べて、そこの風土に触れて。旅気分でしたね。

状況に流されるように生きている風で、でもやりたくないことはやらない。そこは自分を曲げきれないですね。やっぱり前向きな気持ちで無理をして頑張ったり勉強したことは全てに納得感がある。僕にとってCADの仕事は起業資金をつくるためでしたが、好きでやるムリは“努力”につながると、仕事を通じて分かりました。

緑線

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パッチワークカンパニーが
目標達成のチャンスをくれたように
今度は僕が、挑戦する人たちを応援
できるようになりたい。

稲 駿介

インタビュー:2018年11月
聞き手/廣岡 衣奈(garagraph)
撮影/谷 知英(WARASHIBE PICTURES)

パッチワークカンパニーを退職して、2018年6月に会社を立ち上げました。主な業務はビッグデータの分析、ホームページやVR制作、先進技術の導入補助です。小中高とハッカーとしてヤンチャして得た知識と経験が、いまの僕の強みになっています。堂々と言えない時もありますけれど(笑)自分の好きなことで誰かに貢献できるって嬉しいですね。お客様のチャレンジのお手伝いができるから。

パッチワークカンパニーさんには、ITスタッフとして関わらせてもらっています。主にはサーバー管理やテレワーカーさんたちのITのお悩み解決係として、サポートを担当しています。

今でも「嫌なものはイヤ!」、そこは変わらない私のルールです。「ワガママ」や「生意気」と批判される事もありますが、私が作るチームはでこぼこな個性でいいと思っているし、これからの時代は「嫌いなもの」よりも「好きなもの」や「得意なもの」にフォーカスしていくべきと考えています。

これまで僕はなんのビジョンもないまま漠然と「いつかスゲーやつになる」って思い続けてきたけれど、今では「挑戦するスゲー人たちをITで応援したい」と目的がハッキリしています。パッチワークカンパニーさんが僕のような起業したい人の受け皿になってくれたように、僕の会社もそんな存在になれたらと思っています。そしてビジネスが広がって、ひとりではできない仕事が入ってきた際にはテレワークを利用して対応できれば、たくさんのお客様に喜んでもらえると考えています。そんなふうにお互いの強みで協力し合って、ビジネスの幅を広げていきたいです。

株式会社Localhost
代表取締役 稲 駿介

インタビュー:2018年11月
聞き手/廣岡 衣奈(garagraph)
撮影/谷 知英(WARASHIBE PICTURES)