BIM/CIMオペレーターとは、BIM/CIMソフトウェアを使用して3次元モデルを作成する仕事です。
BIM/CIMエンジニアとBIM/CIMオペレーターは、通常は区別されていませんが、ここでは区別して話を進めます。
エンジニアは経験や知識から問題解決が出来る人、オペレーターは、常に上司などの指示を得ながら作業を進める人と考えると分かりやすいでしょう。
オペレーターとエンジニアの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています(違いはBIM/CIMもCADと同様の考え方です)。
この記事では、そんなBIM/CIMオペレーターの仕事内容や年収をはじめ、必要な資格やキャリアプランなどを詳しくご紹介します。
BIM/CIMについて詳しくは下記の記事をご覧ください。
BIM/CIMオペレーターの仕事内容
「BIM/CIMオペレーター」の仕事は、BIM/CIMのソフトウェアを使って二次元図面を三次元化すること、また三次元化されたモデルに必要な属性情報を追加することです。
BIM/CIMオペレーターの年収・給料
BIM/CIMオペレーターはこれから確立する新しい仕事です。
現在はBIM/CIMオペレーターに関する年収・給料の公式なデータがないため、参考として「CADオペレーター」の年収・給料をご紹介します。
CADオペレーターの平均時給(執筆時点)
CADオペレーターは基本的に派遣やアルバイト・パートという就業形態が多いので時給金額での紹介となります。
[参照]求人ボックス
BIM/CIMオペレーターの求人があれば執筆時点の情報を出して比較。
–後日インフォグラフィックス作成–
CADは使える人材が多く経験者が求められる傾向にあります。
業界未経験ならCADオペより、初めからBIM/CIMオペを目指した方が良いかもしれません。
BIM/CIMオペレーターのやりがい・魅力
BIM/CIMオペレーターのやりがいや魅力について、二次元の図面を作図するCADオペレーターとの違いに注目しながら2つご紹介します。
【1】作った図面が実際に形になるよろこびを味わえる
CADオペレーターと同じように、自分が手がけた図面を元に実際のものが出来上がっていくよろこびを感じることができます。
実際に出来上がった建物や構造物を目にすると、言葉に出来ない感動がこみ上げてきます。
それは2次元図面よりも3Dモデルの方が完成予想図をリアルに捉えているため、感動もひとしおです。
【2】立体をパソコンの中に組み立てる面白さを味わえる
BIM/CIMオペレーターは立体(三次元モデル)をパソコンの中に実際に作り上げていくので、二次元の図面よりも仕事としてのクリエイティブな面白さがあり、ゲーム感覚で、楽しく仕事ができるという人もいます。
BIM/CIMオペレーターのつらい・大変なところ
BIM/CIMオペレーターの仕事は、まだこれから作られていく新しい仕事だからこその大変さがあります。
具体的に、3つご紹介します。
【1】学習環境が整っていない
新しい技術であるBIM/CIMの仕事は熟練者が少ないため、技術を教えてくれる人も少ないという現状があります。
実務に基づいた教育を提供している機関もまだ多くありません。
BIM/CIMの仕事をしたいなら、自ら学習したり、スクールに通ったりする必要があるでしょう。
【2】オペレーションが確立されていない
BIM/CIMのオペレーションがまだしっかりと確立されていないので、試行錯誤しながら仕事を行なっているところがあります。
また、どのBIM/CIMソフトのシェアが勝つか、まだよく分からない状態でもあります。
そのため、どうすれば良いか分からない事が多かったり、間違った情報に振り回されたり、やった事が無駄になるような事もあるでしょう。
そういう状況をチャンスと捉えるか、ストレスと捉えるかはあなた次第です。
【3】図面が工事に直接影響することへの責任が重い
図面のミスが工期やコストに大きな影響を与えます。
特に情報(属性)の多いBIM/CIMは、二次元図面よりも、直接的に影響を与えてしまいます。
CADにも共通することですが、BIM/CIMで作った図面がそのまま現実世界で作られていくことの責任を理解しましょう。
BIM/CIMオペレーターに必要な資格・能力・経験
BIM/CIMオペレーターは、単にBIM/CIMのソフトウェアが使えるだけで仕事ができるわけではありません。
ここではBIM/CIMオペレーターの仕事をする際に身につけておきたい3つについて解説します。
【1】パソコンスキル
BIM/CIMの業務は、BIM/CIMソフトウェアだけでなく、パソコン全般の知識とスキルも必要です。
特に、マイクロソフトオフィス「エクセル」のスキルは必須です。
【2】コミュニケーションスキル
こつこつとモデリングの作業をする事が多いBIM/CIMオペレーターの仕事ですが、コミュニケーションスキルも大事です。
担当者の指示をしっかり確認し、勘違いがないようにしなければいけません。
また、少しでもおかしいと思ったところは、自分の言葉で納得のいくまで質問しましょう。
「質問したけど、それで良いと言われた」のような言い訳はプロとしての自覚に欠けます。
結果が間違っていたら自分の責任と捉えましょう。
その為には専門用語なども充分理解しておく必要があるでしょう。
【3】BIM/CIMソフトの使い方を学べるスクール・資格試験の勉強
CADと同じく、BIM/CIMの実務に必要な資格はありません。
ただBIM/CIMは熟練者が少なく、技術を教えてくれる人も少ないので、スクールや資格試験で学ぶのが早いです。
また、国土交通省の発表資料には次のような記載があります。
BIMを活用した建築生産、維持管理を効率化するとともに、中小事業者が円滑に導入可能となるよう、BIMマネージャーや技術的な資格制度、人材育成などを進める。
近い将来、「BIM/CIMマネージャー(仮称)」「BIM/CIM技術者」といった資格が必要となる可能性もあります。
もし新しい資格が出来たらチャンスですから、しっかりチェックしておきましょう。
BIM/CIMオペレーターのキャリアプラン
BIM/CIMソフトを使って3Dモデルを入力するという、新しい仕事・BIM/CIMオペレーター。
この仕事を目指すためのキャリアプランを2通りご紹介します。
【1】業界未経験からBIM/CIMオペレーター
BIM/CIMオペレーターが少ない今であれば、「BIM/CIMソフトが使える」だけでチャンスがあると言えるでしょう。
CADオペレーターの場合は、「CADが使える」だけではあまり相手にしてもらえません。
このような理由から、業界未経験者はCADオペレーターよりもBIM/CIMオペレーターにチャンスがあると言えます。
【2】CADオペレーターからBIM/CIMオペレーター
CADオペレーターとして働いている方は、現状のままではBIM/CIMオペレーターになれる可能性は低いです。
BIM/CIMオペレーターを目指すなら、自分で勉強したりスクールに通ったりして、BIM/CIMオペレーターを募集している会社への転職を検討しましょう。
サマリー:BIM/CIMオペレーターの仕事内容・収入とキャリアプラン
ここまで、BIM/CIMオペレーターの仕事内容や収入、必要な資格やキャリアプランについて詳しくご紹介してきました。
国土交通省の「公共工事におけるBIM/CIM原則化」の発表により導入が急がれるBIM/CIMは、今後ますます需要が増えることでしょう。
その中でもBIM/CIMオペレーターは、業界未経験者でもまだまだチャンスがある仕事です。
今回の記事が、BIM/CIMを使って仕事をしたい方のヒントになれば幸いです。