女性がCADの仕事で収入やキャリアを築くためには、CADオペレーターとCADエンジニアの違いを理解した上での会社選びや就業形態の選択は必須となります。
こちらの記事では、CADの仕事が女性に向いている3つの理由をはじめ、女性がCADの仕事で収入やキャリアを築くために必要な職種の選び方や会社選びのコツについて紹介しています。
CADの仕事は、魅力と将来性に溢れた職種でもあることについても紹介していますので、チャンスを逃さないために是非こちらの記事を読んでみてくださいね。
CADの仕事が女性に向いている理由
まずは、CADの仕事が女性に向いている理由について3つ紹介します。
- コツコツ仕事は女性向き
- 丁寧な仕事が求められる
- 仕事の品質で評価される
それぞれ詳しく説明していきますね。
コツコツ仕事は女性向き
CADは毎日コツコツ正確に図面の作成を行う仕事なので、細かい作業を継続的に行うことが得意な女性に向いているといえます。
もちろん、男性の方でもコツコツ作業が得意な方もいらっしゃいますが、多くの男性の方は外に出たり、大きな成果を求める傾向にあります。
丁寧な仕事が求められる
統計的にですが、女性は男性に比べて仕事が丁寧な方が多くいらっしゃいます。
つまり、丁寧で正確な仕事を求められるCADの作業は、細かい事に気付きやすい女性の方が向いているということです。
同じ図面でも描く人によって違いが出てきます。
女性の方は相手の立場に立って図面を描ける方が多いので、丁寧で見やすい図面を書く人が多いです。また、急な仕様変更などにもスムーズに対応でき、重宝されやすいといえます。
仕事の品質で評価される
建設業は業務の特性上、体格や体力面でどうしても男性との差が出やすい仕事になります。
しかしCADの仕事はデスクワークですので、体格や体力に左右されることなく作業を進めることができます。
CADは仕事内容を覚えさえすれば、男性と能力差が出にくい仕事なのです。
また、図面が間違っていると必ず製作の段階で不具合が出るので、はっきりと結果となって現れます。そのため、成果物の品質が公平に評価されると言えるでしょう。
そういった場面に無理に参加しなくても、CADの仕事は成果物のクオリティーに準じて公平に評価される傾向にあります。
女性にとってはかなり嬉しいポイントですよね!
CADの仕事で女性に向いていないところ
3次元が苦手
一般的に女性は男性に比べて、脳内で3次元(立体)を組み立てて描くのが苦手という特徴があります。
地図を読むのが苦手という女性が多いのと同じです。
逆に言えば、3次元を組み立てるのが得意な人は有利なのでぜひCADの仕事をやってほしいと思います。
白黒の図面が苦手
研究により、女性は色、男性は文字を見て色々なことを判断することが分かっています。
学生時代のノートを思い出してみると、女性が書いたものはカラフルであることが多くなかったでしょうか。
一方で、CADで扱う図面は白黒です。
それはCADがこれまで男性社会で作られてきたノウハウであるためと考えられます。
男性にとっては白黒図面の方が分かりやすいのです。
女性がCADを扱う場合は、自分で色をつけるなどすると分かりやすくなるので、そうした工夫をしてみてください。
女性がCADの仕事で収入・キャリアを築くための基礎知識
次に、女性がCADの仕事で収入やキャリアを築くために知っておいてほしい基礎知識について4つの項目を紹介しますね。
- 女性のCADの仕事の基礎知識
- 業界未経験ならまずはCADオペレーター
- 経済的自立を目指すならCADエンジニア
- CADのスキルを持っている女性に注意してもらいたいこと
それではひとつずつ紹介していきます。
女性のCADの仕事の基礎知識
CADの仕事の基礎知識を簡単にご紹介します。
CADの仕事3つのステップ
CADの仕事にはスキルによって次の3つのステップがあります。
ステップ【1】 | 図面を読むことができる |
ステップ【2】 | 図面を描くことができる |
ステップ【3】 | 設計ができる |
CADオペレーター
ステップ【1】【2】の、図面の読み描きができるのがCADオペレーターです。
CADエンジニア
ステップ【1】〜【3】の、図面の読み描きにあわせ設計までできる人がCADエンジニアです。
設計ができる人とは、経験や知識を元に、分からないところは調べたり、人に聞いたりしながら、自らの判断を交えて図面の作業を進められる人のことです。
業界未経験ならまずはCADオペレーター
業界未経験の場合でしたら、まずはCADオペレーターから始めてみてください。
ハローワークやインターネット等で「未経験可」に絞って求人情報を探すことができます。
ただし注意点として、キャリアアップを目指すのであれば「派遣」という就業形態は選ばない方が良いでしょう。
理由については次の章で説明しますね。
経済的自立を目指すならCADエンジニア
経済的自立や収入アップを目指し、技術的な能力をより高めたい方は「とりあえず派遣でCADオペレーターをしてみよう」という考えは危険です。
CADオペレーターは派遣という就業形態が多いのですが、一度派遣でCADの世界に入ってしまうとCADエンジニアへのステップアップが難しく、ずっとCADオペレーターを続けることになりがちです。
なぜなら、CADオペレーターの派遣は指示を受けて仕事をすることだけを求められ、キャリアアップを見据えた構造でないのが現状だからです。
とりあえずのつもりが、抜け出すのが大変という事態に陥ってしまいますので慎重に検討してみてくださいね。
CADのスキルを持っている女性に注意してもらいたいこと
CADのスキルがあるのに「ITなどの今までとは全く違う業界に行ってみよう」と考えるのは非常に勿体ない考え方だという事を強くお伝えしたいです。
男性にも他業種への転職を考える人はいますが、経験上、女性の方に多く見られます。
CADの作業や建設業などの厳しさを知っているだけに、CADのブランクがあると断られるのではないか、嫌がられるのではないかと思い込んで避けてしまう方がいらっしゃいます。
しかし実際、どんな業界でも一から新たなキャリアを積むのは大変なことです。
今自分に足りないことや多少の文句は受け入れ、目の前のハードルを少しずつ乗り越えていく方が結果的に楽ですし、キャリアアップの近道になります。
CADの経験やスキルを活かす道を優先的に検討してみてくださいね。
実際、パッチワークカンパニーに面接に来てくださる方も、異業種からの転職希望者は多いです。
IT業界からCADの業務を始めたいといらっしゃった方も、またその逆のケースもあります。
前の業界でうまくいかなかったからと安易に業界を変える選択を望む人は多いのですが、実際は大変なことです。
前職でうまくいかなかったのは「会社という一つの狭い世界」が原因だったことも考えられます。会社を変えるだけで開ける道もあるんですよ。
女性のCADの仕事|平均年収/収入の事例
次に、CADの仕事の平均時給や平均年収について紹介します。
CADオペレーターとCADエンジニアでは収入にも違いが出てきます。
CADオペレーター
CADオペレーターの平均時給については、以下の金額が平均とされています(執筆時点)。
CADオペレーターは基本的に派遣やアルバイト・パートという就業形態が多いので時給金額での紹介となります。
CADオペレーターの平均時給(2022年) | |
派遣社員 | 平均時給1,696円 |
アルバイト・パート | 平均時給1,096円 |
[参照]求人ボックス
CADエンジニア
CADエンジニアの平均年収については以下の通りです。
CADエンジニアの平均年収(2021年) |
平均年収463.2万円 |
さらに専門分野でのスキルを得て経験を積むと収入を増やすことが可能です。
参考までに建築設計技術者、機械設計技術者、土木設計技術者の平均年収は以下の通りです。
- 建築設計技術者 586.2万円
- 機械設計技術者 587.3万円
- 土木設計技術者 566.5万円
※いずれも全就業形態が含まれた2021年のデータです
[参照]賃金構造基本統計調査
女性のCADの仕事|適性がある人/求められる資格・スキル
CADオペレーターとCADエンジニアでは、求められる適性や人材に違いがあります。
それぞれ紹介していきますね。
CADオペレーター
CADオペレーターに求められる人材は、納期を守り、図面を間違えないという責任感を持てる人です。
資格については特に必要ありませんが、CADを使える必要があります。
また、PCの基礎知識や図面のルールに関する知識が必要であり、「Excel」「Word」のソフトが使えることも最低限必須となります。
CADエンジニア
専門の専門学校や大学を出ていなくてもCADエンジニアになっている方は多数いらっしゃいます。意外と文系出身の方も多いです。
そういう方が共通して持っているのが、論理的思考力と立体把握力です。
論理的思考力:物事を体系的に捉えて筋道を立てて考える力のこと
立体把握力:2次元図面を読んで立体を想像できる力のこと
資格については特に必要ありませんが、担当分野の専門用語や製作工程、材料などの知識と経験が必要とされます。
外出中に打合せの電話があっても、寸法や部材のひとつひとつが頭で組みあがっているため、目の前に図面が無くても問題無く打合せが出来るのです。
女性がCADの仕事で活躍するためのキャリアプラン
CADエンジニアは、経済的自立や収入アップ、スキルアップ、キャリアアップが見込める、将来性のある仕事です。
CADエンジニアが人手不足と言われている今は、CADエンジニアへの道が広がるチャンスではないでしょうか。
勤務形態について、残業があるから無理だと思い込んでいる方も多いのですが、残業しなくてもよい会社は探せばあります。
残業が必要かどうかは求人を出している会社に対して、面接で率直に聞いて問題ありません。
面接で無理して「残業できます」と言うと後から大変な思いをすることになります。
面接では自分が希望する働き方の条件をきちんと提示し、ご自身のライフスタイルに合った会社を探してくださいね。
面接は何社受けてもOK!採用されなくても、その会社と合わなかっただけと割り切って考えましょう。
面接の時点で働き方を曖昧にするほうがNG。お互いにとって不幸な結果にならないようにちゃんと伝えてみてください。
CADの仕事は女性も評価されやすく、高収入を得られる仕事です。一生もののスキルを持っているのに、活かさないともったいないですよ!
女性にとってCADの仕事の魅力と将来性
女性にとってCADの仕事は向いている上に、魅力と将来性も兼ね備えた仕事です。
- 一生もののスキルで安定して働ける
- AIにも仕事を奪われないCADの仕事
- 在宅でも仕事ができる
以上の3点を詳しく紹介していきます。
一生もののスキルで安定して働ける
CADの仕事は、同じように女性が高収入を目指せるIT業界に比べて求人の競争率が低く安定して働けるのが特徴です。
一つ目の理由は、IT業界より建設業界の方が圧倒的に人気がないからです。
もう一つの理由は、IT業界は新しい知識やスキルがどんどん必要となり、新しい技術を学んだ若い人が重宝される世界だからです。
AIにも仕事を奪われないCADの仕事
最近では、3DCADや専門ソフトの登場によって、これまであったCADオペレーターの仕事が減少しつつあります。
今後さらにAIが登場すれば、その状況が加速することは間違いないでしょう。
ここで新しい技術やAIに奪われないCADの仕事を2つご紹介します。
それは3次元図面の仕事と、CADエンジニアの仕事です。
3次元の仕事
まず、3次元の仕事についてご説明します。
例えば土木の仕事。
現場作業では、無人の重機をAIで動かすようになってきていますが、AIは人間が作った3次元の図面を元にして動いています。
このように様々な分野で必要とされる図面が2次元から3次元に変わっていきます。
AIの進歩とともに、3次元分野の図面の需要は、今後ますます増えて行くでしょう。
CADエンジニアの仕事
次にCADエンジニアの仕事についてです。
AI技術の観点から見ると、CADの仕事をするのであればCADオペレーターではなくCADエンジニアを目指した方が得策と言えます。
なぜなら、CADエンジニアであれば設計というクリエイティブな作業が必要とされるため、AIに仕事を奪われるという心配がないからです。
将来的に生き残るのはCADエンジニアである、ということを覚えておいてください。
在宅でも仕事ができる
CADは一定の技術力と経験が身につきさえすれば、在宅でテレワークすることも可能です。
ここではテレワークの定義を、「お客様と接することなくデスクワークで完結する仕事」として話を進めさせていただきますね。
CADの仕事は子育てや介護をしながら働ける仕事ですが、最初から誰でも在宅でテレワークができるわけではありません。
その理由について解説していきますね。
まず在宅で収入を得られる仕事を分類すると、以下のようになります。
在宅で収入を得られる仕事 | 特徴 | 対象 |
データ入力、ライティング、画像作成などクラウドソーシングで出来る仕事 | 案件単位で仕事ができる分、仕事の受注と収入が不安定。お小遣い程度になりがち | 幅広い対象 |
バックオフィス、カスタマーサービス、テレアポ | 誰でも出来る分、競争率が高く、収入が低く抑えられがち | スキルのある優秀な1%人材が対象 |
プログラム、CADの仕事 | 技術が必要な分、競争率が低く、安定した仕事と収入を得られるが完全在宅が難しい | スキルのある優秀な1%人材で、リアルでもやり取り可能な人 |
こうして見ると、在宅でもしっかりした収入を安定して得られる仕事は案外少ないことが分かります。
安定した収入を得たいのであればブログラムやCADの仕事が良いということですが、高い技術を身につけるまでは一般的には出社をして経験を積む必要があります。
技術が身についていても、条件に合う会社を見つけるのはなかなか難しく時間がかかってしまいます。
自分の希望する労働条件をきちんと提示しないまま就職してしまうと、後から「残業の多い会社だった」「●●●●だった」などの間違いに気づくこともあります。
つまり、目指すキャリアプラン、目標とするワークライフバランスを明確にした上での会社選びは非常に重要となります。
なかなか自分のライフスタイルに合う会社がみつからないという問題は、多くの方が抱えています。
また、就職してから「女性はキャリアアップがしにくい会社だった」「最初の説明よりたくさんの残業を求められる」なんて事もしばしば。
このような、CADの仕事を在宅でする際の課題を解決するために開発したのが、パッチワーク式在宅CADという働き方です。
女性のためのCADの仕事の求人の見つけ方
自分に合った会社を見つけるためには、まずはご自身のスキルや経験、ブランクも含めキャリアを明確にしてみましょう。
その上で、求人で必要とされるCADの種類や実務経験の有無、そして時間単価(給与)に着目して探すのが良いでしょう。
求人はハローワークやインターネットの求人サイトで探すことができます。
最近は転職サイトブームです。
沢山の転職サイトが日々登場しています。
自分の条件に合った転職サイトを探してみましょう。
スキルが高い方は、ハイクラス転職サイト「BIZREACH(ビズリーチ)」などが情報豊富でおすすめです。
サマリー:【女性のCADの仕事】収入目標別CADオペレーター、CADエンジニアの選び方
こちらの記事では、CADの仕事が女性に向いている3つの理由をはじめ、女性がCADの仕事で収入やキャリアを築くために必要な職種の選び方や会社選びのコツについて紹介させていただきました。
情報量が多くなってしまいましたので、最後にもう一度お伝えした内容をまとめて紹介しますね。
CADの仕事が女性に向いている3つの理由は以下の通りです。
CADの仕事が女性に向いている理由3つ |
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女性がCADの仕事で収入・キャリアを築くための基礎知識として、4つの項目を紹介しました。
- 女性のCADの仕事の基礎知識
女性のCADの仕事の基礎知識 | |
ステップ【1】 | 図面を読むことができる |
ステップ【2】 | 図面を描くことができる |
ステップ【3】 | 設計ができる |
ステップ【1】【2】…CADオペレーター
ステップ【1】【2】【3】…CADエンジニア
- 業界未経験ならまずはCADオペレーター
⇒キャリアアップを目指すのであれば派遣という就業形態は選ばない方が良い
- 経済的自立を目指すならCADエンジニア
⇒経済的自立を目指すならCADオペレータではなくCADエンジニアがおすすめ
- CADのスキルを持っている女性に注意してもらいたいこと
⇒安易に全く異なる他業種へ転職するのは非常に勿体ない
女性のCADの仕事|平均年収/収入の事例については以下の通りです。
CADオペレーターの平均時給(2022年) | |
派遣社員 | 平均時給1,696円 |
アルバイト・パート | 平均時給1,096円 |
CADエンジニアの平均年収(2021年) |
平均年収463.2万円 |
さらに専門分野でのスキルを得て経験を積むと収入を増やすことが可能です。
参考までに建築設計技術者、機械設計技術者、土木設計技術者の平均年収は以下の通りです。
- 建築設計技術者 586.2万円
- 機械設計技術者 587.3万円
- 土木設計技術者 566.5万円
女性のCADの仕事|適性がある人/求められる資格・スキルは以下の通りです。
CADの仕事に適性がある人/求められる資格・スキル | |
CADオペレーター |
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CADエンジニア |
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女性がCADの仕事で活躍するためのキャリアプランについては以下の通りです。
- CADエンジニアは、収入アップ、スキルアップ、キャリアアップが見込める
- CADエンジニアは人手不足なので、今がCADエンジニアへの道が広がるチャンス
- 面接では自分が希望する働き方の条件をきちんと提示し、ライフスタイルに合った会社を探すこと
女性にとってCADの仕事の魅力と将来性については以下の2点を紹介しました。
- 一生もののスキルで安定して働ける
- CADエンジニアならAIにも仕事を奪われない
CADの仕事は在宅でも仕事ができますが、以下の注意点があります。
- 高い技術を身につけるまでは一般的には出社をして経験を積む必要がある
- 目指すキャリアプラン、目標とするワークライフバランスを明確にした上での会社選びが必須
- 自分のライフスタイルに合う会社がなかなかみつかりにくい
CADの仕事を在宅でする際の課題を解決するために開発したのが、パッチワーク式在宅CADという働き方です。