CADオペレーターの仕事をしたいと思っても、気になるのはネットで見かける「きつい・しんどい」というワード……。
どんな仕事でも「きつい・しんどい」と思うことはあるとは言え、気になってしまいますよね。
この記事では、CAD経験者に聞いたCADオペレーターの仕事が「きつい・しんどい」と思う時のワースト3と、その対処法について詳しく解説していきます。
本記事では「CADオペレーター」と表記していますが、「CADエンジニア」などCADを使う仕事も含まれています。「CADオペレーター」と「CADエンジニア」の違いについてはこちらの記事を参考にしてください。
CADオペーレーターの仕事が「きつい・しんどい」と思う時&理由ワースト3
まず、CAD/CADオペレーターの仕事をしている方は、いったいどんな時に「きつい・しんどい」と思うのでしょうか。
この記事を監修している合同会社パッチワークカンパニー代表・岡野(CAD歴25年)に聞いた、「きつい・しんどい」と思う時のワースト3とその理由をご紹介します。
【1】納期がきつい
仕事が時間内に終わらなければ、残業は必須です。
ただし、納期に間に合わせたいからと言って手を抜くことはできません。
「図面のミス」は、その後大きな損害を与えてしまうからです。
納期直前は、残業が深夜に及ぶときもあります。
納期前は残業で体力的な大変さと同時に、必ず間に合わせなければならないという精神的な大変さを感じることもあるでしょう。
これは、元請け業者と下請け業者のピラミッドの中で下請け業者ほどきつくなる構造になっています。
【2】人間関係がきつい
口下手で職人気質な人が多い業界だから、ストレートな言葉が胸に刺さります。
土木や建築は体育会系が多く、また、命に係わる事故を起こす危険がある仕事ということも怒る人が多い原因になっています。
時には上司に頭ごなしに怒られることもあり、しんどいです。
【3】職業病(VDT症候群)がきつい
CAD・CADオペレーションの仕事は、ほぼ1日中PC作業を行います。
そのため、眼精疲労・肩こり・腰痛などの身体的な症状のほか、イライラや不眠などの精神的な症状もあらわれる「VDT症候群」に悩む人が非常に多いです。
言わばデスクワーク全般の職業病のようなものですが、きついですね。
CAD/CADオペーレーターの仕事の「きつい・しんどい」を解消する3つの対処法
「きつい・しんどい」となってしまった時、重要なのは解消法を見つけて対処することです。
そして、「きつい・しんどい」とならないための予防法を知っておくことも大切です。
対処法をひとつずつご紹介します。
【1】残業に対して|会社を調査&上手に断る
まずはじめに、「残業がきつい」時の対処法を2つご紹介します。
【入社前なら】会社の実態を調査する
残業が多いと言われる業界ですが、会社によって程度に差があります。
入社を考える際に、その会社のことをできる限り詳しく調べましょう。
インターネットの情報(求人情報・離職率)をはじめ、実際に働く一般社員に働き方を聞いてみたり、夜にその会社の前を通ってみたりすればある程度の情報は得られるはずです。
【入社後なら】上手に断る
頼まれごとを断ることができない「いい人」が背負わさせられて、体調を崩したりしているのをよく見かけます。
無理をした結果、会社を嫌になったり体調を崩したりして辞めてしまえば、本人も会社も不幸になってしまいます。
過度な残業は、断る勇気を持ちましょう。
それが自分のためでもあり、会社のためでもあるのです。
最初は上手く言えないかもしれませんが、上手に断れるようになるとあなたの価値も上がっていきます。
たくさん考えることがある上司は、部下一人ひとりの状況を細かく把握できません。
「お願いね」と言って引き受けて貰えたら「時間の余裕があるんだろうな」とか、「それだけ仕事のやる気があるんだな」と捉えているかもしれません。
上手な断り方
- 「毎月これくらいの残業時間になっていますからこれ以上はできません」
- 「他の仕事がこれくらいの時間がかかって、この仕事がこれくらいの時間がかかるので、工期が●月●日ごろになってしまいますが大丈夫でしょうか」
このような言葉とともに具体的な資料をまとめると、上司も「あー、それならしょうがないね」と納得しやすくなるでしょう。
また、出世しなくていいと思っている人はそれを伝えることも必要です。
意外と会社は自分の事を理解していません。
なぜなら、自分から伝えていないのです。
そして、相手を否定したり、言い負かそうとするのではなくて、お互いが納得できるラインを見つける努力をしましょう。
この業界はとても狭いですし、上手に断れる人が自分の価値を高めていける人です。
ポイントは、会社の利益と自分の利益、その両方を考えられているかどうかです。
【2】人間関係に対して|相手を理解&自分への理解
次に、「人間関係がきつい」時の対処法について。
建設業界に多い、職人気質の人とのコミュニケーション対処法を2つご紹介します。
ステップ1:相手を理解する
絶対に相手が悪いと思っていると、相手に文句を言ったり、すぐに法律やルールを持ち出して相手を否定したり、社会的な制裁を期待して誰かに相談したりします。
そうなってしまえば相手を「敵」と位置付けるため、良い関係性になることはありません。
それぞれの立場で「会社のためにいい仕事をしたい」という気持ちを持っていることを忘れず、あなたもその視点から見つめなおしてみませんか。
ぶっきらぼうな人って、基本的には真面目でいい人。
そして実は、とても繊細な心の持ち主だったり、打ち解けると誰よりもよくしてくれる人が多かったりしますよ。
上司から否定ばかりされて嫌になるという人が多くいますが、部下が上司の否定ばかりしていると気が付かない人が多い気がします。
大人になると親も1人の未熟な人間だったんだと気付きますよね。
同じように、上司も未熟な1人の人間なのです。
それに気付くだけでも関係性が大きく変わっていくと思います。
ステップ2:自分を理解してもらう
まずは相手の言動に対して「自分が足を踏まれたこと」に気付くこと。
そして「今私は足を踏まれています」という事実だけをその相手に伝えること。
相手を攻撃するよりはるかに簡単で、効果的な方法です。
これで充分なのです。
ほとんどの人が相手の間違いを正さないといけない、自分が正しいことを証明しないといけないと思って、「足をどけてください」どころか「人の足を踏むのは良くないことです」と言って戦ってしまいます。
戦うか、我慢するかのどちらも地獄の二択の罠に陥ってしまったり、自分を守っているつもりが相手を攻撃してしまったりしている人をよく見かけます。
自分は間違っていない、自分を守りたいの一心で過剰防衛になってしまうのです。
自分を守りすぎると、相手を「敵」に追いやってしまいますよ。
それが出来るようになると、何か問題があるたびに、逆により良い関係性に深めていける人になるでしょう。
ただし、我慢してストレスが溜まってしまいあなたの人生にダメージを与えるほどであれば、転職や退職も視野に入れて行動しましょう。
【3】職業病に対して|リフレッシュ法を探す&仕事道具を選ぶ
最後に、身体・精神的な「職業病(がきつい)」時の対処法をご紹介します。
心と体のリフレッシュ法を見つける
正直なところ、デスクワークにおける身体・精神的な症状が発症してしまった後はうまく付き合っていくしか方法がありません。
映画を見たり、運動をしたり、マッサージに通ったり。
時間や友達に影響されずに1人で完結できるものが、より良いと思います。
自分の心と体をリフレッシュできる方法を見つけましょう。
自分に合う仕事道具を選ぶ
職業病の改善や予防にもつながる「椅子とマウス選び」は特に重要です。
金額にはあまりこだわらず、自分にフィットする物を探し出しましょう。
CAD操作はクリック数が膨大なので、マウス選びに失敗すると腱鞘炎になりますよ。
「きつい・しんどい」ばかりじゃない! CADオペーレーターの仕事の魅力・やりがいベスト3
CADオペレーターの仕事が「きつい・しんどい」と思うことはあっても、世の中にはこの仕事を長年続けている方がたくさんいます。
その理由は、この仕事に魅力・やりがいを感じているから。
ここからは、CADオペレーターの仕事の魅力・やりがいベスト3をご紹介します。
【1】世の中へ貢献していることを実感できる
CADオペレーターの仕事は全て「もの作り」のために行う仕事です。
家やビル、道路、船、機械など自分が手掛けた図面が形になるという感動があります。
その完成した現場や物を実際に見た時、自分の仕事が世の中の誰かの役に立っていることを実感できます。
「やってよかった!」と思う瞬間です。
【2】仕事を成し遂げる達成感がある
CADオペレーターの仕事は、すべての業務・プロジェクトにゴールがあります。
同じ作業が永遠と続く事務系の仕事とは異なり、数か月単位で仕事を最後まで成し遂げる達成感を得ることができますよ。
【3】評価基準が明瞭である
CADオペレーターの仕事は、仕事の成果物(図面)によって評価してもらえます。
なぜなら、もの作りの段階で間違いが全て判明するため、ちゃんとした図面を描いたか、いい加減な図面を描いたかを嫌でも評価されます。
ありがちな学歴や人付き合いの良さなどの評価ではなく、こつこつ仕事をした結果そのものを認めてもらえます。
サマリー:CADオペーレーターの仕事がきつい・しんどいと思う時ワースト3と3つの対処法
ここまで、CADオペレーターの仕事が「きつい・しんどい」と思う時ワースト3やその対処法、魅力・やりがいベスト3について経験談を元にご紹介してきました。
確かに「きつい・しんどい」時も多い、CADオペレーターの仕事。
ただ、ひとつひとつのプロジェクトにはっきりとしたゴールが存在し、自分が手掛けたものが完成したときの達成感を味わえる素晴らしい仕事なのも事実です。
今回の記事を読んで、CADオペレーターの仕事に対しての不安が少しでも軽くなれば、そして、少しでも魅力を感じていただければうれしく思います。