近年、急激に広まった「リモートワーク・テレワーク」という働き方。
これまではごく一部の人だけの働き方でしたが、今では業種・職種問わず「リモートワーク・テレワーク」の求人を多く見かけるようになりました。
出社が不要になる分時間を有効に使えたり、ストレスが減ったりなどのメリットも多く、さらに全国どこからでも応募ができるため競争率も高い傾向があります。
そんな「リモートワーク・テレワーク」求人に応募する前に知っておきたい、クリアするべき条件や環境についてご紹介します。
※この記事では、CADオペレーター・CADエンジニアに共通することについて解説しています。
CAD|リモートワーク・テレワークのメリット
まずは、「リモートワーク・テレワーク」がなぜ人気なのか。
通勤がなくなることで得られるメリットを3つご紹介します。
【1】通勤時間を有効に使える
あなたはこれまで、通勤にかけている時間を考えたことはありますか。
フルタイム勤務(週5日・月20日出社)の場合、片道1時間と仮定して往復2時間。週に10時間。月に40時間。なんと、年間480時間もかけているのです。
「リモートワーク・テレワーク」で通勤が不要になるということは、「会社のために使っていた時間」が「自分のために使える時間」になるということ。
家事や趣味など、その用途は自由です。
「いってらっしゃい」。
朝の時間に余裕が出ることで、家族のお見送りもできちゃいますね。
【2】仕事終わりの時間が豊かになる
終業後帰宅ラッシュのなか家に帰って、夕食を準備して、家の片付けをして、お風呂に入って、ヘトヘトになって寝て、起きたら朝だった。
こんな経験ありませんか。
「リモートワーク・テレワーク」なら、憂鬱な帰宅ラッシュに巻き込まれることも急な飲み会に誘われることもなく、終業=自宅です。
終業後は、家族とゆっくり過ごしたり、趣味に没頭したり、自分のために使える時間がたっぷり。
仕事終わりの時間が豊かになることで、人生の満足度も高まることでしょう。
【3】余計なストレスが減る
世の中は、余計なストレスにあふれています。
中でもストレスを感じる人が圧倒的に多いのが「毎日の通勤」。
他人との接触を避けられない「満員電車」、思うように進まない「交通渋滞」、他車の行動にムカッとくる「運転」、気温や自然災害といった「天候」など、さまざまなストレスと隣り合わせなのです。
通勤のない「リモートワーク・テレワーク」なら、余計なストレスを減らすことができます。
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【質問】リモートワーク、テレワークのメリットは?
CAD|リモートワーク・テレワークのデメリット
メリットも多い一方で、会社に出勤していた時の「当たり前」がなくなることで、さまざまな影響があるのも事実。
続いて、「リモートワーク・テレワーク」のデメリットを3つご紹介します。
【1】先輩の様子を見聞きして覚える・学ぶということができない
「リモートワーク・テレワーク」では、マニュアル化されていない業務の内容を見聞きして覚える・学ぶということができません。
つまり、隣にいる先輩の会話や仕事術をなんとなく耳にして真似することができないため、何でも自分でやってみて覚えるしかありません。
そのほか、ネットワークやPCトラブル等にも自分で対応する必要があります。
【2】モチベーションが下がる
「リモートワーク・テレワーク」の場合、会話が仕事に関する内容に限られてしまいがちです。
雑談でコミュニケーションを図ったり、食事の時間を共有したりすることで感じる仲間との繋がり。
仲間意識や人から認められているという安心感が少ないと、仕事への充実感やモチベーションが下がってしまいます。
【3】運動不足になる
通勤・社内の移動がない「リモートワーク・テレワーク」は、どうしても運動不足に陥ります。
運動不足は体重の増加だけでなく、心身共に病気のリスクが上がるため注意が必要です。
自宅から職場までの移動の身体活動を消費エネルギーに換算すると、往復2時間としておよそ300 kcal程度となります(最寄り駅まで徒歩または自転車、駅では階段利用、電車内での立位保持など基本的な身体活動として)。これに職場内での移動、昼食のための移動を含めると400 kcalを超えます。
一方、身体活動が自宅内だけでのエネルギー消費はおよそ50 kcal程度となります。その差は350 kcalにもなり、これを週に5日、4週間続ければ7,000 kcalものエネルギー消費不足です。人の体脂肪がもつエネルギー量は1kgあたり7,000〜7,500 kcalなので、単純に計算して1ヵ月にちょうど1kg体重が増加する計算になります。
それも従来のCADの仕事のデメリットを補うためですが、最初は努力が必要です。
【コラム】パッチワーク式「在宅CAD」のデメリット
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【質問】リモートワーク、テレワークのデメリットは?
CAD|リモートワーク・テレワーク求人応募の際に有利な条件
「リモートワーク・テレワーク」の求人を出している会社でも、テレワークを円滑に行うための環境が完全には整っていないことが多いのが現状。
そのため、「この人なら家でやっても大丈夫」と思わせることが重要です。
そのポイントが「実務経験」と「環境整備」の2点。
「環境整備」は次章で解説し、以下では「実務経験」についてお伝えします。
まずは、書類や面接で「PC・CADのソフトウェアに関する知識と経験がある」「自宅で一人でも作業ができる」ということをしっかりと伝えましょう。
そのうえで下記の内容をプラスしてPRすれば、他の応募者に差をつけることができるでしょう。
- 自分が経験してきた分野に対してのスキル・経験
- その業界で磨いたスキル・経験に加えてどういう立場で仕事をしてきたか
- (もし担当者として働いていたなら)担当としての業務内容、一人で仕事を進めていたか
CAD|リモートワーク・テレワークの求人応募の際に有利な環境整備
「リモートワーク・テレワーク」ができる環境を整えておくことも、有利でしょう。
CADで「リモートワーク・テレワーク」をするために必要な5つをご紹介します。
【1】集中してできる仕事スペース
CADの仕事は、効率と集中力が大切です。
書類やPCを毎回出し入れする環境では効率が悪く、仕事場としてふさわしくありません。
PCと書類を置く十分なスペースがある「常設の机」を準備しましょう。
家族やペットと同居している場合は、邪魔されずに一人で集中して仕事ができる場所の確保も必要です。
【2】WindowsのデスクトップPC
CADの仕事は、Windowsの業界。
ソフトウェアの多くがWindowsに対応していることもあり、Macを使っている会社はほとんど存在しません。
なお、PCのモニターを上下や左右に並べて同時に使う「デュアルディスプレイ」だと仕事がはかどるのでおすすめです。
【3】プリンター
細かい作業が多いCADの仕事は、紙に印刷をしてチェックを行うのが基本。
それは「リモートワーク・テレワーク」であっても同じで、プリンターは必須と言えます。
- サイズ:A3
- 印刷方式:レーザープリンター
もし比較的安価なインクジェットプリンターを購入する場合、ブラックだけでも「染料インク」ではなく「顔料インク」を選びましょう。
マーカーでチェックする作業の際、「染料インク」で印刷したものだと黒く滲んでしまうからです。
【4】インターネット環境
オンライン上で業務を行う「リモートワーク・テレワーク」は、快適なインターネット環境を整えることがとても重要です。
速度と安定性について、解説します。
インターネットの速度
インターネットの速度には上り(アップロード)と下り(ダウンロード)がありMbpsで表されます。
- テキストメールやチャット程度:10~30Mbps
- ビデオ会議や容量の大きいデータのやりとり:100Mbps~
「無線LAN」で速度が遅い場合は、ほかの機器や障害物などの影響を受けない「有線LAN」の使用も検討しましょう。
インターネットの安定性
CADの仕事は、セキュリティ対策の一環としてサーバー上で作業することが多いです。
安定性はレイテンシ(通信の遅延)というPing値で計測できます。
常に安定したインターネット環境のためには、できるだけ低い数値を目指しましょう。
【コラム】インターネットの速度が遅い・安定しない時の対処法
インターネットの速度・安定性を確認する方法は簡単です。
ブラウザ『Google Chrome』で「インターネット スピードテスト」と検索すると、一番上に「インターネット速度テスト」が表示されます。
「速度テストを実行」をクリックするだけで、現在の速度・安定性をチェックできますよ。
また、速度が遅い・安定しない時の具体的な改善方法は下記の通りです。
- 工事を伴う固定回線を使う
- 「有線LAN」による接続を行う
- 高性能な無線LANルーター・LANケーブルを使う
改善がみられなければ、プロバイダの変更を検討する必要がありそうです。
【5】家族の応援
「リモートワーク・テレワーク」は、基本的に自宅で仕事を行います。
まだまだこの働き方が世の中に浸透していないので、家にいると用事を気軽に頼まれてしまうケースが多いです。
同居する家族には、「家にいても勤務中」ということをしっかり伝え、理解してもらいましょう。
パートナーやお子さんに働く姿を見せることで、応援してもらえる関係が理想的ですね。
サマリー:CAD|リモートワーク・テレワーク求人への応募前にクリアするべき条件と環境
ここまで、「リモートワーク・テレワーク」のメリット・デメリットをはじめ、求人へ応募する前にクリアするべき条件・環境についてお話してきました。
「リモートワーク・テレワーク」ができるからと安易に応募せず、まずはその働き方が自分に合っているのかを見極めましょう。
そして応募する際は、ご紹介したクリアするべき条件・環境を整えておくことで一歩有利に就職・転職活動を進めることができます。
【在宅CADという新しい働き方】については、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。