CADの仕事を続ける中で、収入面やキャリアアップにおいて今後も安心して仕事を続けたいのであれば、BIM/CIMが扱えるCADエンジニアを目指すという選択肢を視野に入れることをおすすめします。
こちらの記事では、BIM/CIMオペレーターの将来性や今後の需要予想について詳しく紹介しています。
BIM/CIMオペレーターの将来性
BIM/CIMオペレーターは将来性がある仕事です。
まずはその理由について、以下の3つの背景から紹介していきますね。
- 【背景1】人材不足
- 【背景2】働き方改革
- 【背景3】在宅勤務・テレワーク・リモートワークの推進
【背景1】人材不足
人材不足という観点からみると、BIM/CIMオペレーターは非常に将来性のある仕事であるといえます。
日本は年々人手不足問題が深刻化しています。
特に建設業界は、人材不足が著しい状況です。
なるべく少ない人数で工事ができるようにするには自動化が必須となり、自動化するためにはBIM/CIMが必要となるのです。
BIM/CIMを導入すると、積算において自動計算ができたり、工事現場の重機を無人で動かせたり、最低限の人材でプロジェクトを遂行できるようになります。
【背景2】働き方改革
建設業界では働き方改革が進むことによって、BIM/CIMオペレーターが必要とされてきているのです。
2019年より順次施行されている働き方改革では、労働環境の見直しや多様な働き方が推進されていますね。
その一方で、建設業では人材不足に拍車をかけてしまっているのが現状です。
そのため、建設業では1人あたりの生産性を上げるために、人に働いてもらうのではなく機械に働いてもらおうという方向性で業界全体の舵が取られています。
これまでとは違う新しい業務効率化の仕組みが必要となり、機械化や自動化への業務構造に改革されてきているのです。
では、「人が行う仕事として何が残るか?」と考えた時に、必ず残るのがBIM/CIMの仕事だと考えられます。
自動化の仕組みの中でBIM/CIMは必要不可欠であり、BIM/CIMのデータ作成には人間の判断力や経験値が必要とされるためです。
【背景3】在宅勤務・テレワーク・リモートワークの推進
働き方改革や緊急事態宣言等を機に加速する在宅勤務やテレワーク、リモートワークの導入も、BIM/CIMオペレーターの仕事には将来性があると言える理由の一つです。
ただ、初めから完全在宅でできる仕事は、実はあまり多くありません。
どの分野でも独立できるレベルのスキルや経験がないと難しいのが現状です。
しかし、BIM/CIMであれば今はまだ貴重な人材であるため、完全在宅勤務が認められる可能性が高いです。
CADの仕事も完全在宅勤務が可能ではありますが、今後の需要を見据えると今のうちにBIM/CIMを身につけておくことをおすすめします。
BIM/CIMオペレーター今後の需要予想
BIM/CIMオペレーターの需要は今後伸びていくという予想ができます。
理由について以下の3つをご紹介しますね。
- 【需要増の理由1】政府がBIM/CIM完全移行を推進している
- 【需要増の理由2】工事の自動化が進む
- 【需要増の理由3】職人が育たない時代になった
【需要増の理由1】政府がBIM/CIM完全移行を推進している
政府がBIM/CIM活用を推進していることにより、BIM/CIMオペレーターの需要が大幅に伸びています。
2020年4月に国土交通省はBIM/CIM推進委員会を設置し、2023年までに小規模を除く全ての公共事業にBIM/CIMを原則適用することを決定しました。
建設コンサルタントは、BIM/CIMを活用した3次元図面の提出が義務付けられたということです。
国土交通省は以前から、建設業の生産性向上のためにICT(情報通信技術)活用の取り組みを行ってきました。
2012年からBIM/CIMの検証が段階的にスタートし、2016年からは情報化を前提とした新基準「i-Construction」(アイ・コンストラクション)が導入され、BIM/CIMの活用がさらに拡大しています。
BIM/CIMを活用すると、計画、調査、設計の段階から3次元モデルを導入することができますので、以下のようなメリットに繋がります。
- 事業全体にわたり、関係者間の情報共有が容易に行える
- リモートの打合せでもイメージを正確に共有できる
- 建設生産・管理システムの効率化・高度化を図ることができる
- ミスや手戻りの大幅な減少に繋がる
- 工程短縮や単純作業の軽減に繋がる
- 施工現場の安全性が向上する
- 建設業界に従事する人のモチベーションアップに繋がる
このように政府がBIM/CIM活用を推進していることから、BIM/CIMを活用した工事件数は近年大幅に伸びています。
出典:令和3年度までのBIM/CIM活用業務・工事の件数推移/国土交通省
BIM/CIM活用の拡大により、BIM/CIMオペレーターの人材がどんどん必要になっているということが分かりますね。
【需要増の理由2】工事の自動化が進む
工事の自動化に伴い、BIM/CIMオペレーターがとても重要な人材となってきています。
現在、建設業界の人手不足は誰の目に見ても明らかです。
人材が足りない分、工事の自動化が進んでいくことは間違いないでしょう。
そうした時代の流れに適応するために、BIM/CIMオペレーターの需要は今後伸びると予想できますね。
【需要増の理由3】職人が育たない時代になった
建設業界は職人が育たない時代だからこそ、BIM/CIMオペレーターが必要となってきています。
現在建設業界は人手不足が原因で、職人が育たない時代になったと言われています。
職人が足りないし育たないのであれば、機械が代わりに仕事をするしかないのが現状です。
機械を稼働させるために、BIM/CIMオペレーターは必ず必要な人材であるということです。
高収入・キャリアアップを目指すならBIM/CIMエンジニアへ
高収入・キャリアアップを目指すならBIM/CIMエンジニアがおすすめです。
CADオペレーターは今後求人への競争が激しくなってくると予想されます。
つまり、今こそBIM/CIMエンジニアに挑戦するタイミングと言えるでしょう。
その点、BIM/CIMは需要も増え続けていますし、非常に将来性がある分野であることは明らかです。
高収入やキャリアアップを目指すのであれば、BIM/CIMが扱えるエンジニアを見据えて計画的に動くことで、今後も安心して仕事を続けられるのではないでしょうか。
この記事が、より多くの方の理想とするキャリア形成のヒントになれば嬉しく思います。