BIM/CIMの在宅・テレワークの求人をお探しの場合、入社してすぐに完全在宅・テレワーク・フルリモートで仕事をするのは難しいのが現実です。
しかし、スキルや経験を積み重ねることで可能になる場合もあります。
こちらの記事では、在宅・テレワークが可能なBIM/CIMオペレーターの求人情報を30社調査し、収入や必要な経歴、スキルについてご紹介しています。
また、テレワークに有利な仕事環境や、テレワークのメリット、デメリットについてもあわせてご紹介します。
分析に使ったサイトは以下の通りです。
BIM/CIM|在宅・テレワークで仕事をする際の収入
BIM/CIMのスキルを活かした仕事は、在宅やテレワークでも賃金を高く得られる仕事です。
より多く稼ぎたい場合は、正社員となりスキルや経験を積むことで、昇給を見込めるでしょう。
求人では在宅勤務やリモートワークOKと記載されていても、入社してすぐに完全在宅・テレワーク・フルリモートで仕事をするのは難しく、研修期間や打合せなど、週に何日かは出社を求められるケースが多いです。
また、正社員はスキルアップにあわせて昇給が見込めますが、業務内容が変化する可能性もあります。
ご自身のキャリアプランやワークライフバランスを考慮し、慎重に検討してみてくださいね。
まずは、業務委託・派遣と正社員の時給や年収について紹介していきます。
業務委託・派遣だと時給1,900円〜2,400円が多い
30社の求人情報を調査してみると、BIM/CIMオペレーターの業務委託や派遣の時給に関してはおおよそ1,900円〜2,400円が相場となっています。
2021年の全国平均時給は961円ですので、およそ2倍の時給を得られる仕事と言えます。
しかし派遣の場合、初回契約時は試用期間として1カ月程度の期間が設けられているケースがあり、初回契約期間終了後は3カ月や6カ月ごとに更新を繰り返すことになりますので、安定的な収入を得られるとは言えません。
業務委託においても契約期間があり、1つの会社で継続して仕事を受注できるかどうかは分かりません。
求人資料には派遣や業務委託の更新期間や契約期間について書かれていないことも多いですので、面接時にしっかりと確認することが必要です。
このように、BIM/CIMオペレーターは業務委託も派遣も時給は良いですが、期間雇用ですので正社員に比べると安定的に仕事を得られない可能性があることも認識しておきましょう。
ただ、現在BIM/CIMオペレーターの需要が高まっているので派遣からスタートしても正社員を目指せるチャンスは十分にあります。面接時に正社員登用へのチャンスについて確認してみるのもおすすめです。
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正社員だと年収380万円~550万円(月給24万円〜)
BIM/CIMを扱える正社員の年収は、求人情報から分析すると380万円~550万円が多くなっています。
試用期間は3カ月~6カ月設けられている場合が多いです。
厚生労働省が公表した「令和3年賃金構造基本統計調査(※)」によると、建設業全体の平均年収は333.2万円。
BIM/CIMを扱える正社員の年収は業界でも高いと言えるでしょう。
業務はCADオペレーターから始めることが多いですが、BIM/CIMのスキルが身に着き勤続年数が上がるに連れて年収も上がっていく事が見込めます。
社内でも研修があったりと、ステップアップしやすい環境が多いので、手に職をつけて1つの企業で腰を据えて働きたいという方は正社員を目指すのがおすすめです。
しかし、安定して働き続けられる反面、BIM/CIM以外の業務を求められる可能性もあります。
BIM/CIM|在宅・テレワーク求人応募の際に必要な経験・スキル
BIM/CIMを扱う仕事の場合、完全未経験OKの求人はほぼないのが現状です。
以下の3つのスキルと経験が求められる場合が多いです。
- AutoCADが使える
- Revitが使える
- 実務経験
また、資格は必須ではありませんが歓迎される可能性がありますので、それぞれ説明していきますね。
AutoCADが使える
「AutoCAD(オートキャド)」はAutodesk(オートデスク)社の最も利用されている汎用CADソフトです。
2次元図面に多く利用されますが、3次元にも使えます。
BIM/CIMではAutodesk社の別のソフトを利用することが多いですが、基本が同じで連携が出来るので、AutoCADを使えることが条件になっていたり、優遇されるポイントになっています。
Revitが使える
BIMソフトとして、RevitとArchicadが有名です。
もしあなたが建築士(設計者)でないとしたら、Revitを検討するといいでしょう。
「Revit(レビット)」はAutodesk社のBIM設計ソフトで、BIMソフトの代表格として知られ、世界中で高いシェアを誇っています。
AutoCADのBIM版という位置付けです。
3Dモデルと連動させて平面図や立面図、部材表や建具表までを自動で作図することができます。
3Dモデルを完成させられ、積算も自動的に計算されます。
設計段階で見積り金額を把握することで、予算に合った提案が可能になり、これまで必要だった、積算と設計変更を繰り返す作業から解放されます。
また、設計、構造、施工の各段階で一つのモデルを共有しながら、同時に複数の人が作業できるため、お互いの相違を無くして工事を進めることができます。
変更の指示が正確に伝わらずにミスをして大きな損失に繋がるというようなことを防いでくれます。
このように様々な効率化が計れるBIMの需要は、今後ますます増えていくことが確実です。
BIM/CIM対応ソフトを導入している企業のうち、半数以上がRevitを利用していると言われているため、Revitを扱える方が就職には有利と言えます。
面接時に、BIM/CIMに関する知識や社会の背景、なぜ世の中から必要とされているのか、なぜBIM/CIMに携わりたいと思うのかなどを伝えられるといいですね。
実務経験
新卒採用ではない限り、建設業界の設計関連実務経験を求められる場合が多いです。
求人に未経験歓迎と記載してある場合でも、設計関連の実務経験がある方が優遇されているのが実情です。
BIM/CIMの経験がない場合でも、建築設計の経験があると採用に有利な場合もあります。
資格必須のケースは少ないが歓迎される可能性はある
BIM/CIMの仕事では、資格については特に必要ありませんが、資格を持っていることで就職に有利になる事はあります。
資格があるということは、業界についての知見があるとみなされますので、就職ではプラスに捉えられるということです。
建築士資格(一級・二級)や、施工管理技士資格(一級・二級)が歓迎される資格にあたります。
BIM/CIM|在宅・テレワーク求人応募の際に有利な仕事環境
在宅・テレワーク求人への応募では、自宅の職場環境が整っていることが求められる場合もあります。
そのための準備を今からしておきましょう。
- PC(Windows)
- 実測値で100Mbps以上の光回線
- 仕事専用の環境が整っている
上記の3つについて、具体的に解説していきますね。
ソフトの推奨環境以上のスペックを持つPC
BIM/CIMの在宅・テレワーク求人に応募する場合、家にPCがあることはもちろん、OSやスペックについても重要となります。
例えば、Autodesk社のRevitはWindowsのみで動く3Dソフトであり、プロジェクトで扱うモデルの規模によって快適に動く推奨スペックは変わってきます。
ソフトの推奨環境を最低限のスペックと考え、それより1段階上のスペックのPCがあると安心できますし、作業の効率化にもつながります。
ソフトはどんどん進化していくので、CPU変更やメモリ増設可能なデスクトップパソコンを選ぶと良いでしょう。
社員がテレワークを認められる場合は、通常会社がPCを貸与してくれます。
実測値で100Mbps以上の通信速度
BIM/CIMの在宅・テレワークをするためには、実測値で最低100Mbps以上の光回線のインターネット環境があると安定して仕事ができるでしょう。
「インターネット 速度」とGoogle検索するとインターネット速度テストが表示され、簡単に計測できるので必ず測定してみてください。
BIM/CIMで扱う3次元データは2次元データよりも重くなりますし、クラウド上のモデルを共有して、クラウド上で作業するような事も増えてきます。
そのため通信速度は非常に重要になってきます。
仕事専用の環境が整っている
在宅・テレワークをするためには、仕事専用の環境が整っていることも重要です。
仕事を始める度に、毎回PCや資料を出し入れする環境では効率が悪いですよね。
仕事専用のスペースを確保することをおすすめします。
家族やペットと同居している場合は特に、仕事に集中できる個室の環境をつくることで作業効率もよくなりますし仕事も続けやすくなります。
物理的環境とともに精神的環境も整えることも重要です。
例えば、テレワークで働くママは家族に理解してもらうことで精神的負担が軽くなりますよ。
「在宅だからといって家庭の用事を優先して良いわけではない」「通常の仕事と同様の責任がある」ということを家庭内で事前に話し合い、家族に理解してもらいましょう。
BIM/CIM|在宅・テレワークのメリット
次に、BIM/CIMの在宅・テレワークのメリットについて紹介しますね。
CADのリモートワーク・テレワークのメリットやデメリットについてはこちらの記事でも紹介しています。
BIM/CIMの在宅・テレワークのメリットについては、以下の3つをご紹介します。
- ブランクがあっても重宝されやすい
- 高収入・キャリアアップを目指せる
- 在宅でも正社員を目指せる
ブランクがあっても重宝されやすい
現在、BIM/CIM活用の拡大により、BIM/CIMオペレーターの人材が必要とされています。
BIM/CIMを扱える人材は貴重なので、多少のブランクがある場合でも重宝されやすいと言えます。
また、テレワーク環境が整えば、在宅やテレワークで働きたいという要望も聞いてもらいやくなるでしょう
BIM/CIMの仕事は需要が伸びつつある今が、まさに始めるのに丁度良い時期だということです。
高収入・キャリアアップを目指せる
BIM/CIMの仕事は、在宅でも将来の収入アップやキャリアアップを見据えた仕事ができます。
なぜなら、BIM/CIMを扱えるのは貴重な人材なので、今後は在宅であっても好条件での求人が予想されます。
スキルが高ければフルリモートでの業務を交渉する余地もあり、この点がCADの人材とは大きく異なります。
高収入とキャリアアップを目指すのであれば、BIM/CIMのスキルを磨くことをおすすめします。
在宅でも正社員を目指せる
BIM/CIMの仕事は派遣からのスタートでも、在宅で働きながら、正社員を目指せます。
BIM/CIMの仕事は、今がまさに需要の伸び盛りだからです。
また、CADオペレーターだと人材が豊富なので高収入や正社員を目指すのは少し難しいと言えます。
BIM/CIMを扱えるのは貴重な人材のため、スキルがあれば「在宅で働きたい」という要望が通りやすくなる可能性があるということです。
また、完全にデスクワークのBIM/CIMの業務は、企業の努力次第で今後期待が高い仕事と言えるでしょう。
BIM/CIM|在宅・テレワークのデメリット
BIM/CIMの在宅・テレワークのデメリットは「情報共有が難しい」ことです。
テレワーク環境下ではコミュニケーションや情報共有の難しさが課題として挙げられます。
BIM/CIMの仕事でもそれは同じで、その場ですぐに確認したいケースが多く、出社して直接担当者と机を並べて仕事した方が効率的であることが多いのが現状です。
そのため、「週●日出社」「打ち合わせの時出社」といった条件つき在宅勤務、テレワーク、リモートワークが求められていることが多いのです。
ただしこの問題は、リモートワークの技術的な進化や工夫によって解消されていくのではないのかと考えられます。
サマリー:BIM/CIM|在宅・テレワーク仕事の探し方とキャリアプラン
こちらの記事では、在宅・テレワークが可能なBIM/CIMオペレーターの求人情報を30社調査し、収入や必要な経歴、スキルについて紹介しました。
また、テレワークに有利な仕事環境や、テレワークのメリット、デメリットについてもあわせて紹介させていただきました。
BIM/CIM|在宅・テレワークで仕事をする際の収入/求人情報30社を分析 | |
業務委託・派遣 | 時給1,900円〜2,400円が多い |
正社員 | 年収380万円~550万円が多い(月給24万円〜) |
BIM/CIM|在宅・テレワーク求人応募の際に必要な経験・スキル/求人情報30社を分析 |
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BIM/CIM|在宅・テレワーク求人応募の際に有利な仕事環境/求人情報30社を分析 |
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BIM/CIM|在宅・テレワークのメリット |
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BIM/CIM|在宅・テレワークのデメリット |
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BIM/CIMの在宅・テレワーク仕事は、最初から完全在宅を見つけることは難しいでしょう。
完全在宅が可能なのは、独立しても食べていけるくらいの、実績スキル豊富な一部の優秀な人のみであり、それでもまだ対面した打合せが必要な場合も多々あります。
そこで、『パッチワークカンパニー』では、在宅でCADの仕事を実現する新しい働き方として、パッチワーク式「在宅CAD」の仕組みを作りました。
在宅常駐という仕組みで上記の課題をクリアした新しい働き方が在宅CADです。
こちらの記事が、より多くの方の理想とするBIM/CIMの在宅・テレワークの働き方のヒントになれば嬉しく思います。